2017/11/20

やめるからとか最後だからとか全く考えずに過ごしてもどうしてだか、よりによって、上手い具合に最後の2カ月だけは売り上げが良かった。運が決め込んで味方してくれたのか。帳尻合わせの神様が最後の最後に仕事してくれたのか。あの人のことを考えると自然と涙が出てくる。近づいてくる他の女の話を聞くと胸が痛い。純粋に、好きな気持ちを隠しきれない。顔がにやけてるよとかぎゅーしてくれたあとうれしいの?とかそんなのズルいじゃんね。ようやくちゃんと知れたあの人の気持ち、彼女を作る気はないってわかってるけど、その言葉がわたしに向けられたものではないから余計ずしんときてしまった。わたしには教えてくれなかったいまよく聴いてる音楽のこと、たったそれっぽっちなのに悔しくてあの人が他の女の子に教えたすきなうたをわたしはずっと聴いていてあまりの切なさに泣いてしまうんだ。あの女の子には知れないたくさんのわたしが知ってるあの人のこと。過去のこと。あー、どこまでいくんだろうね、わたしたち。深夜の高速バス、隣同士、未来の約束がないと不安になるほど。暖房もつけないでいる狭っくるしいワンルームの布団のなか、信じられない寒さにびっくりして抱き合ってすぐあったかくなってその高まりにびっくりして安心して最近はキスだけで充分満足して眠りにつける。あのあたたかみをふたりじめしてたいだけなのに。